今日は「禁酒セラピー」という本の紹介です。この本はアルコール依存症の治療に関するもので、筆者はイギリス人のアレンカーさんです。彼は元々1983年に「禁煙セラピー」という本を書き、そのノウハウをセミナーで伝える活動をしていた人です。後に、禁酒に関するセラピーも取り入れ、世界中で認知されるようになりましたが、2006年に肺がんで亡くなっています。
本の内容は、お酒の害についてや人生での幸福を追求する視点から書かれており、お酒をやめれば人生がもっと良くなるというメッセージが含まれています。一方で、お酒を全て悪とする考え方や、お酒をやめるだけで全てが解決するという単純な考え方には賛否両論があるようです。
医学的な本というわけではなくどちらかというと自己啓発風味の本ですが、「禁酒」をテーマにした本の中では定番の有名本です。禁酒にこれからチャレンジする方は一度目を通しておくことをおすすめします。
否定的な意見も多いが、人生を再考するいいきっかけに
この本はお酒の害について強調し、禁酒を推奨していますが、読み手によっては、お酒に関する情報や取り組み方が一方的で、背景や対人関係、心の弱さなどの問題が触れられていないと感じる部分があるようです。
また、禁酒による離脱症状の扱いが雑で、すぐに我慢しろという姿勢に否定的な意見もあります。
しかし、読んでいて楽しく、自分の人生を再考するきっかけになるという良い面もあります。なんとなく大人になったら飲んでいたお酒について、今一度なぜ飲むのか?本当に飲む必要があるのか?冷静に考えてみてもよいのではないでしょうか
お酒は本当に美味しい?
本の中では「お酒は本当に美味しいのか?」という点が取り上げられています。
子供たちがお酒を自然と好むわけではなく、大人になる過程でそれを受け入れていくという視点が示されています。本当に美味しかったら、子供の舌でも美味しく感じるはずです。
実際のところは、最初からお酒が好きだと感じる人もいるため、これには賛否が分かれるでしょう。
お酒をやめるために
お酒をやめるためのアドバイスも、この本には記載されています。
- お酒を飲むことは時間の無駄であり、映画を観る際にも酔っ払って見ると十分な感じ取れないと述べられている。
- お酒を近寄らないこと、お酒のシーンを含む映画やテレビを避けることが大事であると語られている。
- 一度お酒をやめる決断をしたら、それを疑わずに実行することが重要であると主張されている。
お酒に関する議論は様々なところでなされています。実際、この「禁酒セラピー」なる本を読もうとしている時点で、禁酒の決断はそれなりにされているような気もいたします。
禁酒セラピーでは、お酒に対する認知を変えることがメインになっているように思われますが、認知行動療法においては、認知よりもさらに行動の変化を重視する方がより効果的とされています。サポートとして、オンラインミーティングやメールサポートの利用がおすすめされています。他にも現代だったらSNSなどを活用することも良いでしょう。
特に年末やお正月休みなどの期間は、お酒への誘惑が増えるかもしれません。しかし、この期間を禁酒で乗り越えることで、後の日常生活での禁酒がしやすくなるとのアドバイスがあります。